今回はSAGA PLANETSのエロゲー『はつゆきさくら』をレビューします。
「冬」や「卒業」がテーマになった本タイトル。果たして抜けるのか、泣けるのか、どうなんだい!
おすすめ度:
- 冬の静かな雰囲気が好きな人にブッ刺さる舞台
- 「卒業」のワードに感傷を覚える人にはとくにおすすめ
- 泣いて、プレイ後の余韻に浸りたい人はマストバイ
はつゆきさくらとは
はつゆきさくらは、SAGA PLANETSから2012年に発売されたエロゲー。2012年の美少女ゲーム人気投票「Getchu.com」による集計において、「総合部門・シナリオ部門・音楽部門」の全てで1位を達成するという偉業を成し遂げたタイトルです。
不良の河野初雪が、不思議なバニー女こと玉樹桜との出会いを経て、過去の因縁や様々なしがらみと向き合い、卒業を目指す物語。
「卒業と復讐」をテーマにした笑いあり涙ありのシナリオや個性豊かなヒロインたち、絶妙なタイミングで差し込まれる楽曲、熱く盛り上げてくれる演出など、ADVゲームとしての完成度の高さは随一です。
エロゲー初心者の方はもちろん、感動できるストーリーで泣きたい方にオススメできるタイトルですね。
本作の評価は非常に高く、エロゲーの感想が集う「ErogameScape -エロゲー批評空間-」のコメントでも「エロゲで一番泣いた」「史上最強の泣きゲー」と評する方もいるくらい、本作の魅力がうかがえます。「SAGA PLANETS最高傑作」とのコメントもあり、本作は同ブランドの中でも一際高い評価を得ているタイトルです。
タイトル | はつゆきさくら |
レーベル | SAGA PLANETS |
ジャンル | AVG |
発売日 | 2012/2/24 |
原画 | ほんたにかなえ とらのすけ ちまろ |
シナリオ | 新島夕 |
ボイス | なし |
はつゆきさくらの良いポイントを口コミレビュー
1. 笑って泣ける、完成度の高いシナリオ
強烈な引きで終わるプロローグと、妥協を許さない個別ルートのクオリティも素晴らしいのですが、本作の集大成となるグランドルート、「Graduation」の破壊力が本当にヤバいです。
プレイヤーを号泣させる感動のラストは、本作を終えた後しばらく何も手がつかなくなるほどの凄まじい余韻を残してくれます。
卒業というテーマを活かしたニクイ演出もラストに存在し、これがまた感動の相乗効果を生み出しているんですよ。
「エロゲーやってて良かった」と心から思えた本作は、最も思い出に残るエロゲーの一つとして、私の心の中に深く刻み込まれています。
卒業という人生の過渡期を振り返りたい方には、是非本作をプレイしてほしいなと思います。
2. クセがありつつも、可愛げのあるヒロインたち
メインヒロインの桜は事あるごとに「バニー!バニー!」と叫びまくるちょっと変わった子ではあるのですが、寂しがりなのかやたらと初雪の手を握ろうとしたり、一緒におでんを食べたら超ご機嫌になったりします。
感情表現が豊かなんですよね。とても可愛いです。
他にも、初雪に憧れて語尾を「~だぜ」にするヒロインとか、一見しっかり者の優等生ぽく見えるけど髑髏のアクセサリーを付けるなど、言動の端々に闇を感じさせるヒロインがいたりもして、なかなかクセの強いヒロインが揃っております。
ですが、女の子らしい可愛さを覗かせる場面はしっかり存在するので、普段とのギャップも相まって、より一層魅力的に感じられることと思います。
3. 冬の雰囲気にマッチしたBGM、質の高いOP
本作の舞台は冬の地方都市で、降りしきる雪の描写もあったりするのですが、どこかもの寂しさを感じられるような落ち着いたBGMが非常にマッチしていて、本作の魅力を底上げする要素となっています。
そして私が最も推したいのが、一曲目のOP「HesitationSnow」です。
幻想的なメロディと力強い旋律は一度聴いたら忘れられないぐらい印象的で、エロゲソングの中で最も好きと言っても過言ではないくらい、大好きな曲です。
また、二曲目のOP「Presto」も同じくらい素晴らしいの一言。「HesitationSnow」と比べるとしっとり目の曲ではあるのですが、オールクリアした後にもう一度聞くと……泣けます。歌詞がリンクしていて、本編を思い出すと色んなものが込み上げてくるんですよね……。
二曲とも本当に素晴らしい曲なので、興味を持った方は是非、曲だけでも聴いていただけると嬉しいです。
はつゆきさくらの悪い点を口コミレビュー
明確な欠点という程のものはないのですが、日常描写の「とある点」が少し気になりました。
日常シーンがセリフの途中でいきなりぶった切られて終わることがあって、「はいここで終わりです。次の日にいきます」と感じられるような、強引に流してくるところが目に付きました。
実際、私も「そこで終わりなの?」と思ってしまったシーンがいくつかあるので、細かい日常話のオチを重視する方は気になるかもしれません。
あとエッチシーンが全体的に短いところも少し気になります。ヒロインが可愛いだけに、濃密なエッチシーンを提供できていないのは惜しいところです。
とはいえ話の中身はしっかりしていまし、全体のシナリオ・ストーリーは秀逸です。上記の点だけ留意しておいていただければ、最高に楽しめるタイトルなはずです。
はつゆきさくらの推しキャラは「夜」ちゃん!
編集部の推しキャラは、ピンク髪後輩のあずま夜ちゃん。
この子はしっかり者の後輩といった感じで、不良の初雪に何かと突っかかって更生を迫ってくるのですが、初雪の切り返しに翻弄されてツッコミ役に回らされています。これがかなり面白くて可愛いです。
あと彼女は割と中に溜め込んでしまうタイプの子なので、結構闇が深かったりするんですよね。
その辺りの詳細は個別ルートで明かされるのですが……はい、泣きました。雪の降り積もる中、彼女が内に抱える悩みを静かに語り出すシーンは涙を誘います。
「彼女を幸せにしてあげたい」と心に抱いたそのシーンは、本作で特に記憶に残ったシーンの一つです。
容姿も内面も声優さんも個別ルートの出来も全部大好きなので一推し。可愛いですよ!
はつゆきさくらの総評
はつゆきさくらは、完成度の高いシナリオと冬の寂寥感ある雰囲気が魅力のゲームです。
冬が好きな方や、卒業というワードに惹かれるものがある方、エロゲーで泣きたいという方にオススメしたいタイトル。ぜひプレイしてみて下さいね。